トラウマを手放すには?:過去は変えられないけれど、解釈は変えられる【ココロノマルシェ】

ココロノマルシェ

【トラウマから逃れたいです】

記憶を無くすことはできなくても、その記憶に対する自分の解釈は、いつだって変えることができます。

それが、過去を手放すということの意味だと、私は思っています。

そのためには、まずは自分の傷ついた気持ちを解放すること。自分で自分の尊厳を守るために、時には怒りを感じることも大切だと思うのです。

******************

ココロノマルシェにご相談頂いた内容に回答しています!

トラウマから逃れたいです
初めてご相談させていただきます。 わたしは、幼少期からモラハラ傾向のある父から暴言、暴力を受けていました。 今は物理的に...

初めてご相談させていただきます。

わたしは、幼少期からモラハラ傾向のある父から暴言、暴力を受けていました。

今は物理的に距離を置いていますが、未だに過去の記憶が忘れられず引きずってしまっています。

具体的には、何もしていないのに睨まれたり物を投げつけられたり、声や顔が気持ち悪いと言われたり、引越しの際にお前はいらないので置いていく、と言われたりしました。

今は一人暮らしで連絡を断っているため、直接的攻撃はありませんが、ときどき夢に出てきたり突然フラッシュバックしたりして気持ちが不安定になることがあり、涙が止まらなくなったり、ご飯が食べられなくなってしまいます。

どうすれば過去の記憶を忘れられるか、教えていただけたら嬉しいです。

(マイさん)

弟子29号サトヒです!よろしくお願いします。

トラウマ・・・本当に辛い思いを抱えて、よくここまで頑張ってきましたね。

幼少期の経験って、条件反射的な自動思考につながってしまうので、それが過酷で辛いものほど、その後の人生にまで悪影響を及ぼしてしまうものです。

深く根付いた不安や恐怖は、思考でどうにかしようと思っても、なかなか思ったようには手放せないものですよね。

早く忘れなくちゃ、手放して変わらなきゃと焦る気持ちもどこかにあるかもしれませんが、簡単に忘れられないくらい、マイさんにとって怖くて、悲しくて、苦しい経験だったんです。

だからまずは、今マイさんが過去の記憶が忘れられずにいることを、ダメなこととは絶対に思わないでください。

そのくらい辛い思いをしてきた自分を、それでもここまで頑張って生きてきた自分に

「辛かったし、すごく怖かったよね」
「苦しかったね、でもよく生きてきたね」

って、優しく声をかけてあげてくださいね。

子どもは、なかなか親を責められないもの

世間一般では、親から子への愛は無償の愛とか言われてますけど、私は、子どもから親への愛こそが、無償の愛であると思っています。

親の愛は、相当意識しなければ、条件付きの愛になってしまいがちですが、子どもは親を無条件で愛することができます。

親が笑ってくれる顔を見たくて、子どもは一生懸命がんばります。

だから、親が幸せそうじゃなかったり、不満や不安を感じてると

「私がいるから、お母さんやお父さんは幸せじゃないんだろうか」
「私のせいで、お母さんやお父さんは嫌な思いをしているんだろうか」

などと、無意識に自分を責めてしまうものなのです。

もちろん、子どもは1人では生きていけませんから、親の庇護を受ける必要があるため、親に逆らえないという部分もあります。

だけど、それ以上に、親に幸せでいて欲しいと願っているものなんです。

しかし、それほどまでに深い愛がある故、子どもは親に対してネガティブ感情を持つことに、抵抗や罪悪感を感じやすいんですね。

本来、感情というのは、感じ切ると消化できるものなのですが、罪悪感があると、感じることで解放できるはずの悲しみや怒りを、うまく感じきることができません。

それが、親への未消化な感情を癒すための、最大の障壁になっていると思うのです。

マイさんは、幼少期にお父さんから謂れの無い非難をされ、すごく傷ついてきましたよね。

物を投げられて怖い思いもしたし、「いらない」と言われて、居場所がなくなる不安や恐怖もたくさん感じてきたはずです。

それでも、きっとお父さんに対して、手放しで怒りを感じることは難しいのではないでしょうか?

どこかで「自分の存在自体が悪いんじゃないか」「私が子供じゃなければ良かったんじゃないか」「私なんかいなければ良かったんじゃないか」と、親を責めたい気持ちと同じくらい、いやそれ以上に、自分を責める気持ちを感じてきたのではないかと思うのです。

もし思い当たる節があるのだとしたら、マイさんは怒っていいんですよ。

怒りって、ネガティブに捉えられがちですが、自分を守る大切な感情なんですね。

マイさんは、1人の人間として、自分の尊厳を守るために怒っていいんです。

きっとマイさんは、お父さんに対し否定的な感情を持ちながらも、怒りを封じこめることで、お父さんのことを守ってきたんじゃないかと思うんです。

だけど、誰よりもまず守るべきは自分なんです。

「そんな風に言われる筋合いはない」
「睨まれたり、物を投げられたりして、すごく不快な思いをした」
「人を傷つける発言をするなんて、最低だ」
「絶対に許さない」

そんな風に、自分のために怒ってあげてください。

きっと、植えつけられた恐怖心のために、本人へ抵抗するのは難しいと思いますが、感情を解放するために、直接本人とやりあう必要はないので大丈夫です。

感情が強く動いた経験は、記憶に残りやすいと言います。

つまり、 私たちは過去の出来事を、「感情」として覚えているんですね。

ですので、お恨み帳などを使って、古い感情を吐き出してみると、それに付随した経験の印象が薄れるということも期待できるのです。

>ときどき夢に出てきたり突然フラッシュバックしたりして気持ちが不安定になることがあり、涙が止まらなくなったり、ご飯が食べられなくなってしまいます。

その時、マイさんはどんな気持ちを感じますか?
怖いでしょうか、不安でしょうか。

マイさんは、お父さんにどうして欲しかったのでしょうか。

大切にされたかった?
もっと、温かく接して欲しかった?
優しい言葉をかけて欲しかった?

そう感じ、泣いている自分が想像できるでしょうか?

せっかく生まれてきた子どもが、そんなひどい扱いをされていいはずがありません。

ちゃんと怒りを感じて、怖い思いをしてきた自分を、過去の記憶から救い出してあげてください。

怒っても大丈夫です。
そうやって自分の心を守ってあげてください。

事実は変えられないが、解釈は変えられる

>どうすれば過去の記憶を忘れられるか、教えていただけたら嬉しいです。

とのことですが、起こった事実は変えられないものです。

でも、記憶を無くすことはできなくても、その記憶に対する自分の解釈は、いつだって変えることができると思っています。

それが、過去を手放すということの意味だと、私は思っています。

今のマイさんにとっては、怒りを吐き出せるようになることが最優先だと思うのですが、それができたらいつか、お父さんの気持ちを想像する余裕がでてくると思います。

なぜお父さんが、モラハラ的な態度を取らざるを得なかったのか。
お父さんが、どんな思いを抱えて生きてきたのか。
お父さんの人生は、どんな人生だったのか。

今は無理に理解しようとする必要はありません。

何よりも大切なのは、自分の辛い気持ちを受け入れ、過去に感じてきたネガティブな感情を解放することだからです。

だけどいつか、マイさんがお父さんを許したいと思った時に、次の段階として頭の片隅に置いておいて頂けると良いかと思います。

その当時のお父さんの気持ちが想像できるようになって初めて、感情的にお父さんを許し、本当の意味で過去を手放すことができると思います。

1人で抱えきれないことは、いつでもカウンセラーに相談してくださいね。

マイさんがトラウマから解放され、自分らしく自由に幸せに生きられることを、心から応援しています!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました